なぜ、大国主は、「母殺し」をする必要がなかったのか?


http://shanti-flare.ocnk.net/product/186



アフロディーテ
http://shanti-flare.ocnk.net/product/22



それでは、なぜ大国主は、「母殺し」をする必要がなかったのか?
それこそが、大きな鍵であるわけですが、
今年2015年は、「母性」が大きなテーマになっており、
「母性の支え」そして、「癒された健全な母性」が、その内容になっています。
そこに大国主の秘密があります。


それは、この大国主のサシクニワカヒメの聖母マリアにも通じる、
「癒された健全な母性」と、「賢明なる母性」にありました。

根の堅州国でオホクニヌシが、妻となつたスセリビメに助けられながら、
このように目覚ましい変化を達成し、そして偉大な神に成長して、
地上に帰ってくることができた。


そのことの、そもそもの起因となったのは明らかに、
彼が地下界に来るに当たって、サシクニワカヒメと別れ、
それまで地上にいる間、彼をどんな危機からも必至で守ろうとしてくれていた、
この母神の慈愛と庇護に依存できなくなったことだと思われる。


ところで、この時点でオホクニヌシにとって、
偉大な神への成長のために、
母との別離が、ぜひとも必要なことを、はっきりと察知し、
その断行を彼に促してさせたのは、サニクニワカヒメ自身だった。


彼に自分の元を去り、根の堅州国に行って、
スサノオの裁量に身を任せるように命じたのは、
この母の女神だったと、語られているからだ。


(「大国主の神話」吉田敦彦)