丹生都比売1


「丹生都比売(におつひめ)」

吉野は、昔から霊験あらかたな神仙の地として、
不遇な身となられた貴人(うまびと)が、もう一度勢いを取り戻すため、
また修行のために、籠られることが多い土地側でした。


吉野は、水銀(みずがね)の採れる地でもあります。
このころ水銀は、不老不死の妙薬として
大変に珍重されておりました。


水銀は、辰砂(しんしゃ)と呼ばれる赤土を焼き、
そのときに発する気を清らかな水に冷やしてつくります。


吉野が蘇りの力を与えてくれる場所だとされていたのも、
水銀と清らかな水のたまものであり、
そしてこの水銀と清らかな水を統べていらっしゃるご神霊こそが、
丹生都比売なのでした。

(梨本香歩「丹生都比売」)

憎悪が、生み出す犠牲。
その犠牲が、その真の役割、人類への霊的な奉仕になりえるのは、
その犠牲が、怒りを伴わないまでに究極的に聖化される必要があるのだと思います。


犠牲には怒りを伴うのが、普通です。
だから、わたしたちが犠牲にならないように努力することは
大切なことです。


でも、一方で、犠牲を聖化して、犠牲に伴う怒りの感情や
その他闇の感情を癒すために、それを選ぶ尊い魂も存在する。
それが、キリスト意識なのだと思います。


わたしたちが、自分を惨めに感じて、
ハートが傷ついたときに、その痛みを鎮め、労わる
究極の「許し」のエネルギーも存在しているということ。


そのようなエネルギーのヒーリングが、「丹生都比売」です。



◆シャンティフレア 北鎌倉◆
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