「脳腫瘍の男の子」


「脳腫瘍の男の子」



昨日、夢?うつつの中で思い出したことを書いてみます。
うまく書けるかどうかわからないけど。


たぶん、小学1年か、2年のこと。
近所に脳腫瘍に罹った男の子、たぶん、同じ年の子がいた。


大人しい子だったように記憶している。
たぶん、そしてとてもきれいな子だった。


いつも、わたしのことを見ていたような記憶がある、
それは彼が病気になる前から。


でも、仲良く遊ぶ仲間内ではなかった。


わたしは、その子が、難しい脳の病気で、
もうすぐ死んでしまうのだと、
自分の母親から聞いたような気がする。


そして「死」という言葉が、とても怖かった。


その子のうちは、呉服屋さんで、お店の前を通ると、
頭に包帯を巻いて、わたしのほうをじっと見ていたような
気がする。


何かをわたしに、訴えていたような気がする。


でも、わたしは目をそらした、怖かったし、 だんだん抗がん剤で、
髪の毛が抜けていく彼を奇異にも感じていた。
手術痕のようなものも、あったような気がする。


彼のそんな目を、とても怖いとも思っていた。


そして、そう感じていた自分にとても罪悪感を感じていた。


ある夜に、母が、あの子が亡くなったから、
お通夜に行ってくるねと出掛けた。


あの子死んだんだ、とわたしは思ったけど、
彼は逝く前に、わたしのところに会いに来ていたような
気がした。


だから、わたしは、それを知っていたような気がした。


わたしが、成長して、自分が誰にも愛されない存在なんだと
思って苦しんでいたとき、ふと、彼のことを思い出した。


彼が、「ぼくは、君を愛していた」と言ったような気がした。


そうだ、彼の目は、そういう目だったと、そのとき思った。


もう、死んでしまうと知っていて、どんなに寂しかっただろう、
きっとわたしと仲良くしたかったはずだし、
きっとわたしに何かを、求めていたはずだ。


そして、わたしに出来ることがあったはずなのに...。


わたしは、彼の姿を奇異に思って、そして、
そういう彼の真摯な思いを怖いと思って目をそらしてしまった。


それは、わたしのなかに、ずうっと、後悔と罪悪感として
残っていたような気がする。


わたしは、ひどい頭痛持ちで、ときどき本当に苦しくなる、
昨日もそんな夜で、そのことを思い出した。


もう少し、彼と話をする必要があるのかもしれないなと思った。


夢のなかで.....。


愛について。

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