適者生存や、自然淘汰の神話★男性性の「自立」を阻むもの


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クミコが、その家庭の中で屈折した複雑な少女時代を送ったとすれば、
綿谷ノボルは、別の意味で不自然に歪んだ少年時代を送った。


彼の両親は、そのひとり息子を溺愛したが、ただ可愛がるというだけではなく、
同時にきわめて多くのものを彼に要求した。


父親は、日本という社会の中でまっとうな生活を送るためには
少しでも優秀な成績を取って、一人でも多くの人間を押しのけていくしかない
という信念の持ち主だった。
本当に真剣に、そう信じていたのだ。


結婚してまだ間もない頃に、僕は義父の口から
直接その話を聞いたことがある。


人間は、そもそも平等なんかに作られてはいない、と彼は言った。
人間が平等であるというのは、学校で建前として教えられるだけのことであって、
そんなものはただの寝言だ。
日本という国は、構造的には民主国家ではあるけれど、
同時に、それは熾烈な弱肉強食の階級社会であり、
エリートにならなければ、この国で生きている意味などほとんど何もない。
ただ、ひき臼のなかでゆっくりとすりつぶされてくだけだ。


だから、人は一段でも、上のハシゴに上がろうとする。
それは、きわめて健全な欲望なのだ。
人々が、もしその欲望をなくしてしまったなら、
この国は滅びるしかないだろう。


僕は、義父のそのような意見に対して特に何の感想も言わなかった。
それに彼は、僕の意見なり感想なりを求めていたわけでもないのだ。
彼は、未来永劫にわたって変わることのない
自らの信念を吐露していただけなのだ。
(「ねじまき鳥クロニクル村上春樹


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開催日 2月4日(水) 立春&満月 夜9時より3時間

お申込み締切は、2月3日(火)節分 夜10時まで。↓
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