アーサーとランスロットに対して、あくまで真実で、自然体の≪ギネヴィア≫


12月24日(火)クリスマスイブ ≪ギネヴィア≫
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「ギネヴィアは、ランスロットを縛り行動を妨げたりはしない。
反対に、彼女の愛は、彼を鼓舞し英雄行動に駆り立てる。


ランスロットと彼女の関係は、
自分への愛への忠誠。
人に鑑と仰がれる客観的自己への忠誠。
との葛藤を示す、
この上ないアーサー的主題といえる。」


ギネヴィアは、おそらくアーサーのことも尊敬し、アーサーの王妃としての自覚も十分にあったとも思います。
そして、ランスロットの騎士としての行動を妨げようとはしなかったように、アーサーのそれに対しても、そうであったでしょう。
というのは、多くの妖女たちは、騎士たちの英雄的な行動を妨げ、魔術を使って、自分だけの檻に閉じ込めようと企むのに対して、決してギネヴィアは、そうではなかったからです。

おそらく、アーサーの行動に文句を言ったり、妨害したりということはなかったし、そういうつもりもなかったと思います。


「恋人たちが初めて床を共にしたのは、アーサーがギネヴィアを裏切り妖姫カミーレの床に行った夜のことである。
二人の姦淫には、こうした口実があったが、ギネヴィアは、悲しくも共に犯したこの罪ゆえに、ランスロットが永遠に聖杯の探究に成功できなくなるだろう定めとなったことを悟らなければならなくなった。」


ギネヴィアも、いつしかランスロットの一途な思いに、深くランスロットを愛するようになっていたのでしょう。
だから、二人の関係が決して良いものではないと知りながらも、ランスロットの思いに応えることになった。


ランスロット自身も、ギネヴィアへの思いは、秘めておこうと決めていたでしょう。
けれど、周囲の騎士たちが、あまりのランスロットのギネヴィアへの思いの深さに、それをギネヴィアへ伝えずにはいられなかった。
道ならぬ恋に、周囲が手を貸してしまうほど、アーサーとの忠誠とギネヴィアへの思いの間で苦しむランスロットが、より深刻な状態だったということでしょう。
それに、やはり、アーサーのギネヴィアへの思いよりも、ランスロットのそれのほうがより深いと周囲も同情的だったのだろうと思います。
そういう周りの働きかけもあって、ギネヴィアは、ランスロットの思いを知り、だんだん惹かれていってしまったのでしょう。
これが、ランスロット自身から、ずうずうしく言い寄られていたら、ギネヴィアが、ランスロットに惹かれることはなかったかもしれません。


アーサーへの忠義に深いランスロットが、苦しめば苦しむほど、王妃も放っておけなくなってしまった。
そんなところに、アーサーの裏切りがあり、自分の真実な思いにブレーキが利かなくなってしまったのでしょう。

ギネヴィアもまた、王妃としてアーサーを思い遣る立場よりも、自分の真実の愛情に素直であることを選んだということでしょう。
けれど、それは、ランスロットが聖杯の騎士となる可能性を同時に摘んでしまうことも意味することを理解した上で。
そういう意味では、ギネヴィアは、完全無欠な王妃ではなかった、生身の女性の弱さもまた持ち得ていたということになると思います。


でも、その後二人の姦通の噂が宮廷で囁かれるようになり、
「不幸な王は、この告発を信じたくない気持ちだったが、同時にはっきりとした証拠を観、けりをつけたいと思った。」
とあります。
やはり、アーサーは、あくまで冷静なのですよね〜。

そして証拠を掴んだアーサーは、
「いやしくも女王たるものは、神聖なるものであるから、一度裏切りの罪を犯したからには他に死ぬ方法はあり得ない。」
として、ギネヴィアに火あぶりの刑を宣告します。


「王妃から親切と愛顧を受け、かねがね彼女を愛していたキャメロットの人々は、泣いて怒り、アーサーを罵ったが、どうにもならなかった。」


王妃とランスロットの関係を知りながらも、ギネヴィアを庇う人が宮廷内にて多かったということは、王妃とランスロットの関係が道ならぬものであったとしても人々が、ランスロットとギネヴィアの真実ゆえに同情的だったということ、またギネヴィアが、王妃としても、一人の女性としても、多くの人に愛される資質を持っていたということがわかると思います。


そして、その後処刑場から、ギネヴィアを救い出そうとしたランスロットの軍とアーサー王の軍とが、戦うことになってしまうのです。
こうして、国は内乱状態になり、円卓も崩壊してしまう。


ランスロットは、アーサーに講和を申し出る。
アーサー自身も乱戦に加わり、ランスロットに攻撃をしかけるが、ランスロットは、楯で自分を守るだけで、決して攻撃をしかけない。
けれど、ランスロットが馬から落ちかけたところで、エレクトールが駆けつけ、アーサーに一撃を加え、このように進言する。
「(アーサー)王の首をはねなさい、そうすれば戦いは終わりです。」
しかし、彼は、アーサーを馬に乗せてやり、自分も馬に乗り駆け去った。
アーサー王は、軍勢に戻り、
「まことに今日のランスロットこそ、武士たる礼儀正しさと善良さにおいて、これまで見たどの騎士よりも勝っている。」
そして、アーサーは、ギネヴィアに伝言を送り、もし自分のものに帰ってくるなら、自分と宮廷のものは、そなたとランスロットの関係で色々噂されたことを無視することにしようと伝える。



ギネヴィアは、ランスロットに、どうすればいいでしょうかと尋ねる。
ランスロットは、熱心に、あなたはアーサーの元に帰られなければいけないと勧めた。



「この際、肝心なことは、(アーサーも、あなたも)恥を受けないで問題を解決することです。
わたしは、これまで女性を愛したであろうどの騎士よりも、あなたを強く愛しています。
が、これ以上わたしと一緒にいれば、わたしたちの罪と王の裏切りが世間の前にさらされることになりましょう。
今は、あなたが夫のもとに帰れば、(アーサーとギネヴィアの)面目と名誉は、無事守られるのです。」
こう言い聞かせるランスロットの目に涙が浮かび、ギネヴィアも激しく泣き始めた。


こうして、ギネヴィアは、アーサーの元に戻り、ランスロットは国外追放になります。
そして、再び、アーサーは、ランスロットを撃つために軍を招集するのです。

「アーサーがフランスに向けて出発したとき、ギネヴィアは泣いた。
何故なら、心の中に、彼をもう一度見ることは、もはやないだろうという予感があったからである。」


「ことの起こりは、ギネヴィア王妃とランスロットの愛、理性や常識ではどうしても抗しきれない激情の大波にあった。」
「二人のどちらもアーサーを傷つけたくてそうしたわけではなかった。」
「アーサーは、ギネヴィアとランスロットを愛していたが、王として二人が自分の名誉を汚したことを許すことができない。」



でも、アーサーが、ランスロットを撃つためにフランスに出兵中、今度は、自国での内乱が起こるのです。


12月24日(火)クリスマスイブ☆女神ワーク≪ギネヴィア≫

お申込み締切は、12月23日(月)夜10時まで。
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