草壁皇子を見守る「丹生都比売」☆2


≪シェキナー≫


物語のなかで、「丹生都比売」は、キサという少女として
描かれています。


このキサにこそ、高次の母性、
月の女神学校のvol.1で、聖母マリアチャネルによって
語られている母性の重要な要素が、きちんと描かれていることから、
「丹生都比売」という存在は、母性的なエネルギーであることが
理解できます。

キサは、草壁皇子がこれといって楽しい遊びをしなくとも、
勇敢に野山を駆けることができなくとも、
少しも草壁皇子を蔑んだり、
哀れんだりしませんでした。



不思議なことでしたが、キサは草壁皇子が、
明るい、楽しい心持ちでいるときには、
(そういうことはあまりありませんでしたが)
決して現れたことはありませんでした。


物言わぬ子でしたが、
それだけ草壁皇子の気持ちを、
濡らした布のようにひたひたと感じ取り、
聞き取るようでした。


(梨本香歩「丹生都比売」)


神性の母性の神性の母性たる由縁は、
「深く観て、深く聴ける」
ということだからです。


それによって、わたしたちは、
癒され、辛い思いを残すことなく、
また、明日に向かえるからです。