≪ネフェルティティ≫のテーマ☆「ラーマーヤナ」のシータ妃と、≪ネフェルティティ≫の苦しみの癒し


12月17日(火)満月 ≪ネフェルティティ≫
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≪ネフェルティティ≫初開催準備時に、ガイダンスに従って、「ラーマーヤナ」を読みました。
ラーマーヤナ」は、「マハーバーラタ」と並んで、インド2大叙事詩と称せられているものです。
マハーバーラタ」が、完全に宗教色が強い聖典に属するのに対し、「ラーマーヤナ」は、単純な内容で庶民的であると言われています。



・失敗を乗り越える
・手放し
・イシュタルの系譜
・失望を希望に
・自信喪失
・アマルナ時代(イクナートン)
・聖なる結婚、使命をもった結婚に望む


以上が、≪ネフェルティティ≫のテーマとして示されていました。
英雄ラーマーの武勇伝が、「ラーマ―ヤナ」です。
ラーマーの配偶者であるシータ妃に重点を於いて語ってみたいと思います。




シータ妃は、「朕には、シーターと呼ぶ娘がありますが、この娘は人の腹から生まれたのではない。
朕が、畑を耕してこれを潔めておると、にわかに畦から現れ出て来た、天性心正しく、いかにも神々しい娘です。」
とあるように、人から生まれたのではなく、地から生まれたということになっています。
そして、「かくヴィシヌ神の化身であるラーマ王子は、その配神ラクシュミーの化身であるシーター妃をその妻とした。」 
とあるように、定められた「聖婚」であったということがまず読みとれると思います。
そう、これは、「聖婚」なのです!
ここが≪ネフェルティティ≫のテーマと重なってくるのですが、「聖婚」=幸福な結婚=幸福なパートナーシップではない!ということが、この「ラーマーヤナ」を準備として読まされた大きな意味のようでした。



結婚してから、いろいろあって、ラーマが宮殿を離れ、森の生活を送るときにも、シータ妃は、ラーマに着いてゆくと強い決意で言い張って、着いてゆきます。
とにかく「聖婚」なんだから、どんな苦難も一緒に乗り越えるのだという決意は、シータ妃のほうが勝っている感じなのです。
で、森の生活のなかで、ラーマは、隠者の人たちを殺しにくる羅刹の王の退治を隠者たちに依頼され、義憤に満ちてそれを引き受けます。
そのときのシータ妃の言葉が、とても重要だと感じたので、そこの部分も転記してみますね。



「シーター妃は、ヴィラーダの災難と彼女の良人(注:ラーマのこと)の賢者たちに対して承諾した約束とによって、深く考え込まされた。
翌日、林中で彼女は、彼女の良人に、かくいった。
’正義の大道は、ほんとうに毛筋ほどもそれぬ真っ直ぐな行為によってのみ達しられると思いますの。けれども、この世ではあらゆる害悪の願望を慎みますことで、それに達しられるのですわ。
ほんとうにこの世には、愛欲から生じまする三つの害悪のみが存在いたしますの。
詐り(いつわり)を申しますのが、その一つですが、もっと非道なのは、人妻との姦通と、敵意の無い者に、残酷な所業をなしますことですわ。
ああ、ラーガヴァ(注:ラーマのこと)よ、あなたは、詐りを申されたことなく、決して申されもなさぬでしょう。
なにかの原因からあなたが、ほんとうに正義の破壊と申さねばなりませね、人妻をお慕いになられますことも、おありあそばさぬでしょうよ。
ですが、第三の...敵意のありもせぬ動物をお考えなく残忍にお殺しなさいますことは、あなたにお起こりにならねといえぬかもしれませぬわ。
武器に触れられますると、その人の性質が変わると申されますの。
ちょうど火に触れると、物の性質が変わりますようにですわ。
私が、あなたにご注意申し上げますのは、あなたに対しまする、私の愛情とあなたが、私をお気つけくださいまするためですの、決してあなたにお教え申すというのではございませぬわ。
すこしのお怒りの原因のありませぬのに、ダンダカーの羅刹たちをお殺しになる、そういう残忍なご決意を、あそばされぬように、弓の名人でいらせられまするあなたに、私はお願いいたしたいのですわ。
苦行にいそしんでお出での方々のお悩みをお救いになされますので格別で、武士性階の勇士としてお持ちの弓で、そうあそばすのもいたしかたありませぬわ。
されど、どこに武器の用が、そしてどこに森の用がありますの。
これらは、互いに矛盾しておりますわ。
ですから、私たちに、私たちの生活いたしまする場所の法則を敬重させてくださいませ。
正義から富が生まれますの。
正義から幸福が出て来ますの。
正義によれば、人は、何ものをも得られますわ。
この世の真髄は、正義ですもの。」

でも、ラーマは、このシータ妃の言葉を受け入れないのです。
そして、羅刹王ラ―ヴァナを退治しようと戦いを決意します。



ラーマが、羅刹王ラ―ヴァナの一族に戦いをしかけて、間もなく、シータ妃が、逆に羅刹王ラ―ヴァナの奸計にあって、さらわれてしまう。
ついには、羅刹王ラ―ヴァナを滅ぼし、シータを取り戻すラーマであるのだけれど、それからが、真のシータ妃の苦しみの始まりとも云える。
ラーマが、シータ妃が、羅刹王ラ―ヴァナによって、汚されたのではないかと疑って、厭うようになるからです。
加えて、長い監禁の疲労によって、シータ妃も、美しくはあっても、やつれた容貌、疲れを隠せぬ痩せた身体に変容しています。
シータ妃に向かって、このような言葉を再会のときに浴びせるのです。

「’ラーヴァナの悪行は罰せられた。そなたのために、私は苦労して戦った。
けれども、そなたは長くラーヴァナの家で生活し、彼の膝の上に載せられて、彼から秋波を寄せられた。
そなたは、好きな処に行きなさい。
何処でも好きな処で暮らしなさいよ。’

シーター妃は、良人の思いもよらぬかかる無情の言葉を聞いて、驚きもし、怒りもして、湧き来る涙、せきもし得なかったが、やがてしずかに、しかし決然として、かく言った。
’ああ勇士さまよ、どうしてあなたさまは、普通の人が普通の人に話すような、あなたさまからとも思われませぬ、おききしにくい、荒いお言葉をお投げなされますの。
ああ、大きなお腕のお方さまよ、私はあなたさまがお考えになるような者ではござりませぬ。
私を信じてくださいませよ、私はあなたさまに、自分の性質を証として、そうお誓いいたしますの。
低級の女性の行為から、あなたさまは女性全体をお疑いあそばすのですよ、もしあなたさまが、私をお試しあそばしたならば、あなたさまのお疑いはお捨てにならねばなりませぬわ。
私の君さまよ、たとい私が他人の身体に触れましたところで、それは私の無力からで、わたしの意思ではござりませぬ。その事で非難されますのは、宿命そのものですわ。
全く私の主宰しえまする私の心は、すこしの揺るぎもなく、堅くあなたさまにおすがりしておりましたのですよ。
でも、私の主宰できませぬ私の身体については、無力ですから、私は、どうしようもないではござりませぬか。’」



「’ああ、名誉の源泉でいらせられるお方さまよ、もしあなたさまが長らくご一緒にお親しくしておったのにも拘わらず、なお私をよくご存じないといたしますれば、かなしくも、私は永久に亡びたのでござりまする。
ああ、勇士さまよ、なぜあなたさまは、勇武なハニュマーンを私にお遣わしくださったとき、私がランカーにおったとき、私をお捨てになるとおっしゃらなかったのです。
ああ、勇士さまよ、もしあなたさまがハニュマーンをして直接に私に、そうおっしゃってくださりましたならば、そのとき私は、私の命を断ちましたのです。
そうあそばしたならば、あなたさまのご生命にご危険ですらありましたこの事件も、あなたさまのご同盟の方々のお悩みも避け得られたはずですの。
ああ、人間の第一位のお方さまよ、あなたさまは全くお怒りにお動かされなされて、普通の人のように、私をただの女性としてしかお考えなされませんのですわ。
私が若かったとき、あなたさまもお若く、私の手をお取りあそばされたことを、少しもお思いなされませぬの。
あなたさまに対する一心も、私の性質も、すべてを、あなたさまはお構いになりませぬの。」


絶望したシータ妃は、この後、生きたまま、火のなかに入り、死のうとします。
でも、彼女は、高次の存在によって守られます。
そして、ブラーマと、シヴァが現れ、ラーマに次のように言います。
「’ああ、主よ、一切世界の創造者であり、賢者の第1人者であるあなたは、なぜ、シーターが火中に踊り入った時に助けようとしなかったのか。’

ラーマ王子は、これに対して答えた。
’私は、自分を人間だと思っております。’」



その後、ラーマ王と、シータ妃は、無事に復縁するのですが、再度シータ妃を捨てます。
「’私の貞潔は陛下もご存じですの。
ただ、人民の誹謗をお避けになるため、私をお捨てになるのですわ。
私が陛下の仰せに従うのは、私としての義務と思います。
良人は、妻の神であって、またその友でもありますから。
私は、自分の身の不幸を悲しみませぬが、ただ国民の誹謗を悲しく思いますのよ’」
最後に、純潔の弁明と証を再度ラーマによって、迫られたときに、
地が割けて、地の女神が腕を差し延ばしてシータ妃を彼女の玉座の傍らに座らせて、地中に沈み、シータ妃を連れてゆく。
シータ妃は、生まれたときと同様、来たときのように。最期に、地中に消えてゆく。



さて、ここまであらすじをシータ妃に注目しながらまとめてゆくと、実に≪ネフェルティティ≫と同様の苦難を見ることが出来るような気がしました。
ローズドフランスが表現している女性性の痛みと苦しみです。
そして、このような女性性の苦しみに対して、男性性は、この時代、まだまだ非情であったのです。
そして、現代でも、根底にこの苦しみの流れがあるような気がするのです。



金星の女神学校≪ネフェルティティ≫
12月17日(火) 満月開催
特別料金 19,000円(通常価格予定 30,000円)
お申込み締切は、12月16日(月)夜10時まで。
お申込みは、シャンティフレアサイト↓からお願いいたします。
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