≪ギネヴィア≫を愛し抜くランスロット☆


12月24日(火)クリスマスイブ ≪ギネヴィア≫
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ランスロットは、すぐさまギネヴィアの救出に出発した。
メレアガントを激しく追う途上で、ランスロットはかなりためらった後、さらし台の目的に使う荷車に乗せてもらうが、全く恥ずかしい、自分を貶めたような気持ちを味わいながら、屈辱に耐えた。
次々に現れる危険を死にもの狂いに戦い抜き、旅を続け、あるところにやってきた時、そこでギネヴィアが愛用していた櫛が落ちているのを見つけ、彼女の金髪をみとめる。
まるで気も狂わんばかりに、ランスロットはうやうやしく大切なその髪を手にとり、何度も何度も、まるで聖なる遺品を拝むように、目の前にささげ、口づけし、恍惚となった。
そして、シャツの中の一番心臓に近いところにしまった
。」


以上の記述のように、ランスロットのギネヴィアへの敬慕は、宗教的献身用語を用いて語られました。
このように一人の女性に対して、神に対してと同様の崇拝的な恋愛感情を抱くというのは、のちのダンテのベアトリーチェに対しての敬慕に引き継がれているように思います。

注目すべき点は、それ以前の英雄には、そこまでの女性への敬愛は、描かれていないということです。
女性を庇護するべき存在もしくは、性的な意味合いから自分のものとして美を求める存在として描くことはあったとしても、または、結ばれて国や都市の統治権を得るための聖婚(それは、英雄自身を、完成させるための結婚)はあったとしても、女性そのものを、敬い慕い愛するという姿勢は、それまでの英雄の姿勢にはなかったのです。


ランスロットとギネヴィアの関係は、いわゆる政略結婚的それとも、エロスの衝動に任せたそれとも、異なるわけです。


それは、ギネヴィアが、ランスロットの使える主人であるアーサー王の王妃であったことによって、初めて描くことの出来る新しい関係性だったのでしょう。
それ前までの英雄だったら、ランスロットがアーサーに戦いを挑み、ギネヴィアを強奪する展開となったのでしょうが、ランスロットは、アーサーに対して、キリストに対して抱くような尊敬と厚い忠義もまたもっていました。
言い換えれば、神を愛し、神に仕えながら、同時に、女性を真実に愛するということは?という、新しい英雄テーマが描かれているわけです。
それまでは、どちらかといえば、英雄=神、という描きかたが、神話においてなされていました。


「この首にかけて」
「アーサーは、気高き騎士で、その心根も美しい偉大な人物です。」
「公平に評して、彼に及ぶものは、この世に生を享けたものの中に誰一人ありませんでした。
優しく礼儀正しく、心から恵み深く、おとなしく温和で、悪いたくらみなど一つもせず、彼こそは、おおらかで信仰深く、真実の心をもったお方です。」

と、ランスロットは、アーサーについて熱烈に語っています。



このアーサーとギネヴィア、そしてランスロットという三角関係を創作した吟遊詩人は、クレチアン・ド・トロワであるといわれています。
シュタイナーも、「聖杯探究」という意味合いにおいて、最も重要なテーマを創作したと考えるのは、クレチアン・ド・トロワであるという見解をもっていたようです。

この中世のトルバドールの活躍を経て、以後の「ルネサンス」に導かれてゆくわけですから、トルバドール(吟遊詩人)は、次世代における、男女の愛における人間の精神的、魂的な進化を準備した預言者的な存在であるといえるのでしょう。


12月24日(火)クリスマスイブ☆女神ワーク≪ギネヴィア≫

お申込み締切は、12月23日(月)夜10時まで。
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